住宅ローンを検討する時にまず考えるのは『変動金利』や『固定金利』などの金利タイプをどのタイプにするか?というところから始まると思います。
しかし、これら住宅ローンの金利がどのように変化して、決定される仕組みなのかをご存知でしょうか?
本日は住宅ローン金利のひとつ、変動金利が
『どのように決まるのか?』
『金利が変わるとしたら、どんな理由で変わるのか?』
など、変動金利が決定されていく仕組みについて解説します。
また、変動金利と大きく関係する政策金利についても解説していきたいと思います。
変動金利は、20年以上大きく変化していない
変動金利型は固定金利型と異なり、住宅ローンの返済中に一定期間ごとに見直しが行われます。
しかし直近では約25年間、変動金利の水準は大きく変化していません。
・変動金利はどのように決まるか?
・変動金利の推移
・なぜ、変動金利の基準金利は変化していないか?
それぞれの項目について詳しく見てみましょう。
しかし直近では約25年間、変動金利の水準は大きく変化していません。
・変動金利はどのように決まるか?
・変動金利の推移
・なぜ、変動金利の基準金利は変化していないか?
それぞれの項目について詳しく見てみましょう。
変動金利はどのように決まるか?
まず、私たち住宅ローンの利用者が実際につかう金利のことを『適用金利』といいます。
適用金利を決めるのは住宅ローンを貸付する銀行等の金融機関です。
この適用金利が決定される順序としては、各金融機関が設定する 住宅ローン『基準金利(店頭金利)』があって、そこから各銀行が『優遇幅』として金利を差し引いて提供している。という流れになっています。
では、この『基準金利』は何を基に決められるかというと『短期プライムレート』という金利を元にして決定されます。
短期プライムレートは簡単にいうと『銀行が優良企業に融資する際につかわれる金利レート』のことです。
色々な金利が登場してきましたが、"変動金利は短期プライムレートに連動して決定される"という大まかな理解ができれば十分です。
適用金利を決めるのは住宅ローンを貸付する銀行等の金融機関です。
この適用金利が決定される順序としては、各金融機関が設定する 住宅ローン『基準金利(店頭金利)』があって、そこから各銀行が『優遇幅』として金利を差し引いて提供している。という流れになっています。
では、この『基準金利』は何を基に決められるかというと『短期プライムレート』という金利を元にして決定されます。
短期プライムレートは簡単にいうと『銀行が優良企業に融資する際につかわれる金利レート』のことです。
色々な金利が登場してきましたが、"変動金利は短期プライムレートに連動して決定される"という大まかな理解ができれば十分です。
変動金利の推移
ここで一旦、変動金利の推移を確認していきましょう。
主要銀行の住宅ローンの基準金利は直近20年以上、大きな変化はなく同じ水準を推移しています。
主要銀行の住宅ローンの基準金利は直近20年以上、大きな変化はなく同じ水準を推移しています。
なぜ変動金利の基準金利は変化していないか?
その理由は変動金利の基となる『短期プライムレート』が変化していないから、そして短期プライムレートが決定される元となる『政策金利(無担保コールレート)』が大きく変化していないからです。
無担保コールレートの推移
無担保コールレートは簡単にいうと『金融機関同士でお金を貸し借りする時の金利レート』です。
つまるところ、"変動金利が変わっていないのは、短期プライムレートが変わっていないから"
”短期プライムレートが変わっていないのは、政策金利である無担保コールレートが変わっていないから”
ということになります。
つまるところ、"変動金利が変わっていないのは、短期プライムレートが変わっていないから"
”短期プライムレートが変わっていないのは、政策金利である無担保コールレートが変わっていないから”
ということになります。
変動金利が変化する状況を考えてみる
それでは、変動金利が変化するとしたら、それはどんな状況であれば上昇/下降するかを考えてみましょう。
まず金利上昇の場合は、『政策金利が上がる → 変動金利(適用金利)が上がる』というのが概ねのルールでした。
なので政策金利自体が上がる状況、下がる状況をイメージしていきたいと思います。
まず金利上昇の場合は、『政策金利が上がる → 変動金利(適用金利)が上がる』というのが概ねのルールでした。
なので政策金利自体が上がる状況、下がる状況をイメージしていきたいと思います。
政策金利(無担保コールレート)を低くしたい状況
銀行同士の間でつかわれる政策金利、まずは政策金利が低い状態をイメージしてみましょう。
銀行は個人や企業にお金を融資することが重要な生業のひとつです。
お金が政府や金融機関の内側に留まらず、世の中に出回ることで、経済は循環し、景気は上向きになっていきます。
銀行間同士のお金の貸し借りする際の金利(無担保コールレート)の金利が低くなれば、銀行は個人/企業への融資を行いやすくなります。
例えば、ある地方銀行Aが地元の優秀な企業から融資を求められているとしましょう。そして銀行Aが融資できるお金が少し不足していたとしましょう。
その際に銀行Aは、他の銀行から一時的にお金を借りて融資を行います。
この時の貸し借りに使われる金利が無担保コールレートです。
無担保コールレートが低ければ、銀行はより融資を行いやすくなり、結果として世の中のお金の循環は促進され、好景気に向かうことが期待されるということです。
ちなみに、無担保コールレートは日本銀行が操作を行います。
まとめると、『景気をよくしたい時には、無担保コールレートを低くする』
ということで、逆で考えると『景気が上向かない限りは無担保コールレートは高くできない』ともいえます。
銀行は個人や企業にお金を融資することが重要な生業のひとつです。
お金が政府や金融機関の内側に留まらず、世の中に出回ることで、経済は循環し、景気は上向きになっていきます。
銀行間同士のお金の貸し借りする際の金利(無担保コールレート)の金利が低くなれば、銀行は個人/企業への融資を行いやすくなります。
例えば、ある地方銀行Aが地元の優秀な企業から融資を求められているとしましょう。そして銀行Aが融資できるお金が少し不足していたとしましょう。
その際に銀行Aは、他の銀行から一時的にお金を借りて融資を行います。
この時の貸し借りに使われる金利が無担保コールレートです。
無担保コールレートが低ければ、銀行はより融資を行いやすくなり、結果として世の中のお金の循環は促進され、好景気に向かうことが期待されるということです。
ちなみに、無担保コールレートは日本銀行が操作を行います。
まとめると、『景気をよくしたい時には、無担保コールレートを低くする』
ということで、逆で考えると『景気が上向かない限りは無担保コールレートは高くできない』ともいえます。
政策金利(無担保コールレート)を高くしたい状況
逆に、無担保コールレートを高くしたい状況を考えてみます。
銀行同士のお金の貸し借りがやりづらくして → お金の循環にブレーキをかけたい、ということです。
例えば、銀行が企業に融資を行う時に、実際の企業価値に対していきすぎた融資を行なってしまうと貸し倒れなどのリスクが発生してしまいます。
つまり、行きすぎた好景気にブレーキをかけたい時などにこの金利を高くするということです。
銀行同士のお金の貸し借りがやりづらくして → お金の循環にブレーキをかけたい、ということです。
例えば、銀行が企業に融資を行う時に、実際の企業価値に対していきすぎた融資を行なってしまうと貸し倒れなどのリスクが発生してしまいます。
つまり、行きすぎた好景気にブレーキをかけたい時などにこの金利を高くするということです。
無担保コールレートが高くなることはあるのか?
無担保コールレートをまとめると、
『好景気にしたいから無担保コールレートを引き下げる』
『好景気にブレーキをかけたいから無担保コールレートを引き上げる』
ということになります。
それでは現在、そして今後の日本で、好景気にブレーキをかけたいという状況は起こりますでしょうか?
先の図のとおり、戦後最長の景気拡大である『いざなみ景気』があっても、東京オリンピック開催が2013年に決まっても、無担保コールレートは低い水準のままでした。
『好景気にしたいから無担保コールレートを引き下げる』
『好景気にブレーキをかけたいから無担保コールレートを引き上げる』
ということになります。
それでは現在、そして今後の日本で、好景気にブレーキをかけたいという状況は起こりますでしょうか?
先の図のとおり、戦後最長の景気拡大である『いざなみ景気』があっても、東京オリンピック開催が2013年に決まっても、無担保コールレートは低い水準のままでした。
変化にいたる状況を想像することが大切
今回は変動金利の仕組みと、変動金利に大きく関係する政策金利について解説をしました。
変動金利は、無担保コールレートに結びついています。
政策金利である無担保コールレートに大きな変化がないため、変動金利の適用金利も変化がないということですね。
変動金利について考える際は、政府、そして日銀はどうしたいかを俯瞰して捉えることが大切です。
政府の重要な役割のひとつは、景気を上手にコントロールすることです。
そしてその為に日銀と協力して政策金利をコントロールしていきます。
日本の状況は誰がどう考えても、好景気にしたい状況です。
この状況にある限り、政策金利を高くすることは中々考えられないでしょう。
変動金利は『金利上昇リスクに注意しなければいけない』
その通りではありますが、金利が変化する要因や、変化にいたる状況を理解した上で判断するのが大切と言えるでしょう。
変動金利は、無担保コールレートに結びついています。
政策金利である無担保コールレートに大きな変化がないため、変動金利の適用金利も変化がないということですね。
変動金利について考える際は、政府、そして日銀はどうしたいかを俯瞰して捉えることが大切です。
政府の重要な役割のひとつは、景気を上手にコントロールすることです。
そしてその為に日銀と協力して政策金利をコントロールしていきます。
日本の状況は誰がどう考えても、好景気にしたい状況です。
この状況にある限り、政策金利を高くすることは中々考えられないでしょう。
変動金利は『金利上昇リスクに注意しなければいけない』
その通りではありますが、金利が変化する要因や、変化にいたる状況を理解した上で判断するのが大切と言えるでしょう。
まとめ
◆変動金利は短期プライムレートと原則的に連動する
◆短期プライムレートは無担保コールレートを基に決定される
◆無担保コールレートは20年以上、低い水準のまま
◆なので、変動金利の適用金利も低い水準が続いている
◆無担保コールレートを低くしたいのは景気を上げたいから
◆無担保コールレートを高くする時は、景気の過熱にブレーキをかけたい時
◆東京オリンピックが決まっても、無担保コールレートは大きく上がらなかった
◆変動金利を考える際は、政府がどうしたいかを俯瞰して捉えることも大切
◆短期プライムレートは無担保コールレートを基に決定される
◆無担保コールレートは20年以上、低い水準のまま
◆なので、変動金利の適用金利も低い水準が続いている
◆無担保コールレートを低くしたいのは景気を上げたいから
◆無担保コールレートを高くする時は、景気の過熱にブレーキをかけたい時
◆東京オリンピックが決まっても、無担保コールレートは大きく上がらなかった
◆変動金利を考える際は、政府がどうしたいかを俯瞰して捉えることも大切